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派遣契約書の基本から法改正対応まで 派遣元担当者が押さえるべきポイント解説
「派遣契約書の記載に抜け漏れがないか、十分に確認できていない」と感じている派遣元担当者の方もいるのではないでしょうか。
派遣契約書には、法定記載事項の網羅に加え、法改正への対応や保管ルールなど、把握すべき事項が多岐にわたります。
本記事では、派遣契約書の種類と役割、法定記載事項の一覧、保管ルールなどを一通り解説しています。

派遣契約書の作成・管理を効率化したい方は、派遣管理システム「スタッフナビゲーター」を検討してみてはいかがでしょうか。累計3,000社超に導入され、法改正時の迅速なバージョンアップにも対応しています。
目次
派遣契約書とは?基本的な役割と種類を理解しよう
派遣契約書は、派遣元と派遣先の間で労働者派遣の条件を取り決めた書類です。おもに「基本契約書」と「個別契約書」の2種類に分かれています。この章では、基本契約書と個別契約書の違い、必要な書類の全体像、締結の順序などを解説します。
参照元: 厚生労働省|第7労働者派遣契約
基本契約書と個別契約書の違い
基本契約書は、派遣元と派遣先が継続的な取引をするうえでの共通ルールを定めるものです。法律による作成義務はありませんが、損害賠償の範囲や契約解除の条件などを定めておくと、トラブル発生時の対応を円滑に進められます。
個別契約書は、労働者派遣法第26条により作成が義務付けられている契約書です。個々の取引について、業務内容や就業場所、派遣期間といった就業条件を定めます。なお、基本契約書と個別契約書をひとまとめにする場合もあります。
派遣契約に必要な書類一覧と作成・提供の分担
派遣取引では、契約書以外にも複数の書類を整備する必要があります。
書類を作成・提供するのが派遣元か派遣先かによって分担が異なるため、事前に整理しておきましょう。
| 書類名 | 作成・提供の主体 |
|---|---|
| 基本契約書 | 派遣元・派遣先(どちらも可) |
| 個別契約書 | 派遣元・派遣先(どちらも可) |
| 派遣通知書 | 派遣元 |
| 事業所抵触日通知書 | 派遣先 |
| 比較対象労働者の待遇情報提供書類 | 派遣先 |
| 管理台帳 | 派遣元・派遣先(双方) |
基本契約書・個別契約書については、法令上、作成主体の定めはありません。ただし、実務上は派遣元が作成するケースが一般的です。
派遣通知書・事業所抵触日通知書・待遇情報提供書類については、法令上、提供義務を負う主体が定められています。管理台帳は派遣元・派遣先それぞれに作成・保管義務があります。
実務上は派遣元が派遣先管理台帳の作成や抵触日管理を支援するケースも少なくありません。

派遣管理システム「スタッフナビゲーター」は台帳作成や抵触日の一元管理にも対応しています。件数が増えても管理漏れを防ぎやすく、取引先との関係強化にも期待できるでしょう。
詳細は以下よりご確認ください。
派遣契約書の締結タイミング
派遣取引では、書類の整備に決まった順序があります。
前提となる手続きを正しい順序で進めないと法令違反となるリスクがあります。
以下の流れを把握しておきましょう。
- 派遣先より抵触日の通知を受領する
- 基本契約書・個別契約書を締結する
- 派遣スタッフへ就業条件などを明示する
- 派遣先へ派遣スタッフの氏名などを通知する
- 派遣スタッフが派遣先での就業を開始する
- 派遣元が管理台帳を作成・整備する
- 派遣先が管理台帳を作成・整備する
- 派遣先から派遣元へ就業実績などを通知する(1カ月ごとに1回以上、一定の期日を定める)
なお、派遣元・派遣先双方の法務確認に時間を要し、基本契約書の締結が派遣開始後になるケースもあるかもしれません。
派遣ビジネスは、案件受注から就業開始までのスパンが短い傾向があります。また、就業早々に終了するといったトラブルが生じることもあります。
基本契約書作成の法定義務はないとはいえ、案件の受注が決まった時点で締結しておくことが望ましいでしょう。
参照元: 労働基準監督署|労働者派遣の流れ
基本契約書に記載すべきおもな事項とは?
基本契約書は、派遣元と派遣先が継続的な取引をするうえでの共通ルールを定めるものです。
法令による作成義務はありませんが、締結しておくことが望ましいでしょう。個別案件ごとの交渉の手間を省け、トラブル発生時の対応も明確になるためです。
記載すべきおもな項目は以下のとおりです。
- 目的・適用範囲
- 法令・指針の遵守義務
- 個別契約の締結方法と派遣通知
- 事業所単位の期間制限と抵触日の手続き
- 派遣スタッフの待遇確保
- 秘密保持・知的財産の帰属
- 損害賠償責任の範囲と免責条件
- 反社会的勢力の排除
- 契約の解除条件
派遣先のひな形を利用する場合、自社に不利な条項が含まれている場合があります。
とくに、契約の中途解除に関する予告期間や損害賠償の範囲、代替要員の手配をどこまで負うかといった点は、事前に確認しておくことが望ましいでしょう。
個別契約書に記載すべき法定事項とは?【テンプレート付き】
個別契約書は、労働者派遣法第26条第1項により作成が義務付けられています。
ここでは、法定記載事項に加えて、実務上記載をおすすめする項目も紹介します。
法定記載事項の一覧と記載例
派遣の個別契約書における法定記載事項は以下のとおりです。
【法定記載事項】
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 業務内容・責任の程度 | 具体的な業務内容と、役職の有無・権限の範囲を記載 |
| 所在地・就業場所・組織単位 | 実際に勤務する住所と、配属される課・係など組織単位の名称を記載 |
| 指揮命令者 | 派遣先で直接指示を出す担当者の氏名・役職・連絡先を記載 |
| 派遣先責任者・派遣元責任者 | それぞれの責任者氏名・所属部署・連絡先を記載 |
| 派遣期間 | 開始日・終了日を具体的に記載 |
| 就業曜日・就業時間・休憩時間 | 曜日、始業・終業時刻、休憩時間帯を明確に記載 |
| 時間外・休日勤務の条件 | 36協定の範囲内で、上限時間や取り扱いを記載 |
| 安全・衛生 | 派遣先が講じる安全措置の内容を記載 |
| 苦情申出先 | 派遣先・派遣元それぞれの担当者・部署・連絡先を記載 |
| 便宜供与 | ロッカーや給食施設など派遣スタッフに提供する内容を記載 |
| 契約解除時の措置 | 事前予告、就業機会の確保、損害賠償などの対応を記載 |
| 無期雇用・60歳以上に限定するか否か | 雇用形態による限定の有無を明示 |
| 協定対象派遣スタッフに限定するか否か | 労使協定方式の適用有無を明示 |
| 期間制限を受けない業務に関する事項 | 該当する場合はその根拠となる業務区分を記載 |
| 紹介予定派遣に関する事項 | 紹介予定派遣の場合は、職業紹介の実施条件を記載 |
| 派遣人数 | 当該契約で受け入れる派遣スタッフの人数を記載 |
| 派遣元の許可番号 | 労働者派遣事業の許可番号を記載 |
以下は法定事項ではありませんが、実務上記載をおすすめする事項です。
【任意記載事項】
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 派遣料金 | 時間区分ごとの単価と料率を記載 |
| 支払条件 | 締日・支払日・支払方法を記載 |
| 苦情処理方法 | 苦情申出後の具体的な処理手順と結果通知の方法を記載 |
任意記載項目は法令上の義務ではありませんが、商取引上のトラブルを防ぐために盛り込んでおくことが重要です。

記載事項の漏れが不安な方は、「スタッフナビゲーター」の個別契約書テンプレートをご活用ください。法改正時の更新を前提にした運用設計にもつなげやすくなります。
※本テンプレートは2026年4月時点の法令に基づく内容です。法改正により記載事項が変更となる場合があります。
これまでの派遣法改正による記載項目の変更点
派遣法の改正にともない、個別契約書の法定記載事項は以下のように追加されてきました。
| 改正年 | おもな追加・変更記載項目 |
|---|---|
| 2015年 | 組織単位の明記、無期雇用・60歳以上に限定するか否かの明示、派遣先が直接雇用する場合の紛争防止措置 |
| 2020年 | 業務内容への「責任の程度」の追加、協定対象派遣スタッフに限定するか否かの明示 |
古いテンプレートを使い続けると、気づかないまま記載事項が不足してしまうリスクがあります。契約書の管理をシステム化しておくことで、法改正時の一括対応が可能になります。

今後の法改正に備えて契約書管理の効率化を考えている場合は、派遣管理システム「スタッフナビゲーター」の活用も検討してみてはいかがでしょうか。
法改正で見直したい記載項目とチェックポイント
派遣契約書には、法定記載事項の網羅だけでなく、現場運用との一致や最新の法改正への対応も求められます。作成時・更新時には、以下の項目を押さえておきましょう。
| チェック項目 | 留意点 |
|---|---|
| 法定記載事項をすべて網羅できているか | 前章の法定記載事項一覧と照らしあわせ、項目の漏れがないか確認する |
| 最新の法改正が反映されているか | 使用中のテンプレートの作成時期を確認する |
| 3年ルールのカウントが正しいか | 事業所単位と個人単位の双方を確認する |
| 派遣料金が同一賃金の水準を満たすか | 派遣先への請求料金が、最新の一般賃金水準を満たせる設定になっているか確認する |
| 自社に不利な内容が含まれていないか | 中途解除・損害賠償・代替要員手配義務などを重点的に確認する |
| 契約内容と現場の実態が一致しているか | 必要に応じて派遣スタッフへのヒアリングも行い、定期的に確認する |
| 派遣開始前に作成が間に合うか | 抵触日通知や待遇情報提供の受領も考慮し、逆算して準備する |
2026年10月1日には、同一労働同一賃金ガイドラインの改正が予定されています。そのため、派遣料金の設定や待遇確保の内容などは、見直しが重要となるでしょう。
改正の詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。
法改正への迅速なバージョンアップで、記載・管理漏れのリスクを減らせます。
派遣契約書の締結方法と保管・管理のルール
派遣契約書は、締結方法と保管のルールを正しく把握したうえで運用する必要があります。
ここでは、派遣契約書の締結方法の種類と保管期間を順に解説します。
締結方法の種類|通知型・契約型・電子契約
個別契約書の締結方法には、おもに以下の2種類があります。
| 締結方法 | 概要 |
|---|---|
| 契約型 | 派遣元・派遣先の双方が署名・押印して締結する方法 |
| 通知型 | 派遣元が就業条件を記載した書面を派遣先へ通知し、派遣先が承諾する方法 |
2021年からは、契約型・通知型いずれも電磁的記録による締結が認められています。
派遣先との契約に加えて、派遣スタッフへの雇用契約書(兼)就業条件明示書についても、本人の希望があれば、メールや電子契約システムを用いた電磁的記録で交付できます。
電子化による実務上のメリットは、以下の3点です。
- コスト削減:契約書の印刷代・製本・郵送代が不要になる
- スピード向上:物理的なやりとりがなくなるため、遠方の派遣先やスタッフとも即座に契約を締結できる
- 管理の適正化:「いつ・誰が締結したか」の履歴が残るため、コンプライアンスの遵守が容易になる
なお、派遣契約書は印紙税法上の「課税文書」に該当しないため、収入印紙の貼付は不要です。
電子契約の導入を含む派遣業務のデジタル化全般については、以下の記事で解説しています。
参照元: 厚生労働省|労働者派遣事業の適正な運営の確保等に関する法律施行規則の一部改正について
保管期間|基本・個別契約ともに定めなし、管理台帳は3年必須
基本契約書・個別契約書には、法令上の保管期間の定めはありません。
一方、派遣元管理台帳・派遣先管理台帳は、いずれも派遣就業終了日から3年間の保管が義務付けられています。
そのため、派遣契約書も台帳にあわせて3年間保管しておくと、監査対応や紛争時の備えとして望ましいでしょう。
派遣管理台帳の重要性については、以下の記事もあわせてご確認ください。
派遣契約書に関するよくある質問
ここでは、派遣契約書に関するよくある質問を3つ紹介します。
- 派遣契約書に収入印紙は必要ですか?
- 派遣契約書がないまま働くとどうなりますか?
- 派遣契約書の保存期間は5年ですか?
派遣契約書に収入印紙は必要ですか?
基本契約書・個別契約書いずれも、収入印紙の貼付は不要です。
派遣契約書は印紙税法上の課税文書に該当しないためです。
参照元: 国税庁|印紙税額
派遣契約書がないまま働くとどうなりますか?
個別契約書を締結しないまま派遣スタッフが就業を開始した場合、許可の取り消し・事業停止命令・改善命令の対象となりえます。
労働者派遣法第26条により、派遣就業の開始前に作成することが義務付けられているためです。
また、就業条件が書面で確定していないと、業務範囲や就業時間をめぐるトラブルが発生した際に、双方の主張を裏づける根拠がなくなります。
参照元: 厚生労働省|第7 労働者派遣契約
派遣契約書の保存期間は5年ですか?
基本契約書・個別契約書に法令上の保存期間の定めはありません。
この5年は、労働基準法第109条に定めるタイムカードや賃金台帳などの労働関係書類が対象です。
実務上は、派遣元管理台帳・派遣先管理台帳の保管義務である3年間にあわせて保管をおすすめします。
参照元: e-GOV法令検索|労働基準法
派遣契約書の管理はシステムで効率化しよう
派遣契約書を適正に管理するには、法定記載事項の網羅や法改正への対応、保管期間の管理など、幅広い対応が求められます。
個別契約書は案件ごとに作成が必要であり、案件数が増えるほど、手作業での管理負荷は比例して大きくなるでしょう。
スタッフナビゲーターは、2001年の販売開始以来累計3,000社超に導入されてきた派遣管理システムです。
個別契約書の作成・管理から派遣元管理台帳の整備まで、一元管理が可能です。
契約書と管理台帳を紐付けて一元管理できる仕組みを整えれば、監査対応や更新管理の手間も削減できます。
さらに、電子契約機能も備えており、派遣先企業・派遣スタッフとの契約締結を強力にサポートします。
法改正による明示項目の増加や契約更新作業の負担についても、ペーパーレス化によって効率化が可能です。
法改正への迅速なバージョンアップと、年間約1,000件のユーザー意見をもとにした機能改善も継続しています。
派遣契約書の管理に課題を感じている場合は、スタッフナビゲーターの資料をご確認のうえ、導入をご検討ください。
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